神話の国の美人の湯
島根県は出雲空港から車で5分、三方を山で囲まれた閑静な地に涌く源泉掛け流しの温泉です。湯の川温泉は和歌山県龍神温泉、群馬県川中温泉と並んで日本三美人の湯として女性に人気の温泉です。
太古の悲恋を秘めた山あいのいで湯
「火の山の ふもとの湯こそ 恋しけれ身をこがしても 妻とならめや」
神代の昔、出雲からやってきた大国の主命と恋に落ちた稲羽の国(八上姫)は、命にスセリヒメというおきさきがあることを知らず、出雲の国に帰られた命を慕ってはるばる旅に出られました。かよわい足取りで厳しい旅を続けられ、出雲の入り海(宍道湖)を船で進まれた八上姫は、南の山の谷あいに湯気を立ち上がっているのをご覧になりました。湯の泉があるに違いないと近づいてみると、そこには岩の間からこんこんと湯が湧き出ているのです。旅の疲れをその温泉でいやされた八上姫は心身共にお元気になられ、いっそう美しい美人神になられたと伝えられます。冒頭の歌は、稲羽の国にお帰りになるとき、ふたたび湯の川温泉に立ち寄られた八上姫のお歌です。
|