【出雲そばの由来】
古くから出雲地方でもそばの栽培が行われていたようですが、本格的にそばの文化が根付いたのは江戸時代になってからのようです。信州の殿様、松平直政が松江城に入城したさいに、そば職人を一緒に連れて来たことが始まりと言われています。そばは、庶民の間ではもちろん御馳走でしたが、上流武士の間へも浸透し、さらなる上品な御馳走として、松平不昧公の茶道文化の発展とともに盛んになり、出雲そばが全国的に有名になりました。
【出雲そばの魅力・特徴】
出雲そばは、戸隠そば(長野県)、わんこそば(岩手県)と並び日本三大そばの一つです。しかし、「食べ方」と「挽き方」に特徴があります。
「食べ方」については、一般的なそばはだし汁につけて食べますが、出雲そばはだし汁自体を器に入れて食べる割子(わりご)そばが有名になっています。
「挽き方」については、信州のさらしなに代表されるように、そば粉の白い部分を使うのに対し、出雲そばは、そばの実を一本挽きという独特の技法で甘皮まで臼で挽くため、そばの色は濃く黒く見え香りも強いのが特徴です。